#価値観について語る時：エネルギーの意思決定への市民参加

PLOS Climateに掲載された最近の 研究は、「価値観について話す時間、ノーと言う時間：抽象的なエネルギープロジェクトと具体的なエネルギープロジェクトの意思決定における市民参加を促すものは何か」と題し、エネルギーの意思決定における市民参加における価値観の役割を探求している。

この研究では、意思決定の初期段階から異なる価値観（人々の生活における指針）を持つ人々を参加させることで、より社会的に受け入れられやすいエネルギー・プロジェクトを開発することができると論じている。しかし、異なる価値観を持つ人々は、意思決定の異なる時期に参加を望むかもしれない。

エネルギープロジェクトがまだ抽象的なもの（例えば、国の再生可能エネルギー目標など）である場合、生物圏的価値観（環境を大切にする）や利他的価値観（他人を思いやる）が強い人々は、参加したいと思うかもしれない。一方、プロジェクトが具体的になると（例えば、地元のウィンドパーク）、エゴイスティックな価値観（すなわち、個人的な資源を大切にする）や快楽的な価値観（すなわち、快適さや喜びを大切にする）が強い人々が参加したがるかもしれない。

同じ地域での2つの実地調査において、研究者たちは、生物圏的価値観と利他的価値観が、人々の抽象的な意思決定への参加意欲と、実際に最も強く関連していることを発見した。地元のプロジェクト・レベルでは、プロジェクトに反対する人ほど、価値観に関係なく参加したいと思った。

本研究では、意思決定への参加を呼びかけるだけでは、異なる公共的価値観が代表される保証はまだないと結論づけ、エネルギーの意思決定に価値観をよりよく取り入れるための提言を導き出している。